PRESIDENT

社長の思い

石原ケミカルの経営戦略

いち早くニーズをつかみ、いち早く製品化

石原ケミカルは開発型企業です。
〈開発〉と聞くと、画期的な発明をして世の中に普及していく仕事だと思われがちですが、現実はそう簡単なことではありません。
まず、ニーズをいち早くつかむことが大切です。そうする事により開発スタートが早くなり、競合に先駆けて顧客が望む製品をいち早く提供することができます。

当社の主力製品の一つである金属表面処理剤「めっき液」も、顧客のニーズに基づいて開発がスタートしました。めっき液の中でも、「錫はんだめっき液」に関しては国内トップクラスを誇ります。
当社では顧客のニーズに合致した製品開発を基本にはしていますが、ニーズだけではなくシーズ品の開発も行っています。シーズは顧客が求めるであろうものを当社が自ら想定し、当社が主体となり顧客にとって新しい提案をするものです。その一つが(後で述べますが)導電性銅ナノインクです。
当社の事業はどれもニッチな分野ではありますが、「こんなこともできるの?」と顧客から要望をいただけるだけの信頼を獲得しています。
常に顧客のニーズおよびシーズに寄り添い、製品開発を進める。そのプロセスの中で当社の技術も高まり、さらに信頼関係も深まります。

現在、三つの分野(電子関連・自動車用品・工業薬品)で四つの事業を展開していますが、どの分野においてもいち早くニーズをつかみ、いち早く製品化するサイクルを回すことができています。

石原ケミカル社長 酒井保幸 写真

石原ケミカルの新たな挑戦

従来のものづくりに革新をもたらす技術開発

石原ケミカルでは、顧客のニーズに合致した製品開発を基本にしていますが、現在新たな挑戦をしています。

それが「導電性銅ナノインク」という電子回路を形成するためのインクです。
従来のプリント基板を作る工程ですと、完成品になるまでに使用する材料の8割以上を廃棄することになり、環境にも負荷がかかります。

「必要な部分にだけ配線を形成できないだろうか」

この問いから、導電性銅ナノインクの開発はスタートしました。
顧客のニーズに基づいた製品開発ではなく、「こんな技術が可能になれば、ものづくりの常識は変わる!」という研究員たちの新鮮な発想からの開発です。

研究開発をスタートさせて早10年。銅ナノ粉の製造開発から銅ナノインクまでの一貫生産を目指しています。
ようやく顧客に提供できる段階までこぎつけました。
それまでの間、研究員たちは数々の失敗や苦悩を経験しました。だからこそ導電性銅ナノインクが世に受け入れられ、既存のものづくりに革新をもたらしたときに、彼らは本当の喜びを得ることでしょう。

石原ケミカル社長 酒井保幸 写真

社員時代に一番大変だったこと

全く異なる分野を担当することになり…

私は入社以来、営業として溶接関連分野を担当していました。
お得意先の技術者から製造プロセスで使う材料を教えてもらい、又そのプロセスに合う当社の製品を提案していました。結果、溶接関連分野に関しては、業界用語や製造プロセスなども熟知し、技術者の方々とも良好な関係を築くことができました。

しかし、35歳のとき、溶接関連分野から電子関連分野の部署と同時に東京支店へ異動になりました。

上司と初めてお得意先に同行させていただいたときのことです。
上司と技術者の会話の内容をまったく理解できなかったのです。業界用語を理解していなかったこともありますが、イニシャルトークも多く、溶接関連分野と明らかに違う部分がありました。
溶接関連分野では製造工程などを聞いても包み隠さずに教えていただけました。
しかし、電子関連分野の場合、各社独自のノウハウをもっているため、企業秘密な部分も多く、そう簡単には詳細を話してはくれません。お得意先との打ち合わせの後すぐに上司に内容を事細かく理解出来るまで聞いた事を思い出します。その後も訪問するお得意先毎に同じ事を繰り返しました。

業界ならではの慣習というのでしょうか、それに慣れるまでは本当に大変でした。

石原ケミカル社長 酒井保幸 写真

石原ケミカルが求める人物像

自ら考え、自ら行動する人

石原ケミカル社長 酒井保幸 写真

石原ケミカルがここまで成長することができたのは、〈顧客との信頼関係〉と〈高度な技術力〉を築き上げてきたからです。

その主体が一人ひとりの社員であることは言うまでもありません。
信頼関係も技術も一足飛びに築き上げることは不可能です。ましてや言われた通りのことを実行すれば築けるものでもありません。それらは一人ひとりの成長によって築かれるものなのです。

人が成長するためには、自分なりに考えて、自ら率先して実行するプロセスが不可欠です。仮に失敗したとしても、それを責めるという風土は当社にはありません。

1年目から研究テーマを与え、営業エリアを任せます

当社の経営理念は自己開発・商品開発・市場開発の「三つの開発」です。特に重視しているのは社員の「自己開発」、つまり人の成長を第一に考えています。

人が成長するためには、先ほども言いましたように、自ら考え、自ら行動するプロセスが重要です。
研究員には1年目から研究テーマを与え、開発に携わってもらいます。1年目から自分で開発したものをお客様にプレゼンして採用していただけるという経験は、当社では珍しいことではありません。
営業に関しても1年目から一定のエリアを担当してもらいます。出張を含めたスケジュールもすべて自ら考え立案し、もちろん上司に報告しますが自己管理します。上司から「あそこへ行ってこい」などと指示することはほとんどありません。

各々が成長するからこそ、新しい商品が生まれ、新たな市場を生み出すことができます。

「こんな商品をつくりたい」
「ものづくりにイノベーションをもたらしたい」
「将来、こんなキャリアを築きたい」

それを実現できる風土が石原ケミカルにはあります。
向上心あふれる人には、石原ケミカルで挑戦してほしいですね。

代表取締役社長 酒井 保幸

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